第3章 <2>首輪のついたペット
「このビデオを裏ルートで流せば高額で売れそうですね。恥ずかしそうにしている顔もさらしたことだし、あなたは一生、誰かのマスターベーションのおかずとして、生きていくことになる」
それだけは絶対に嫌だ。恥ずかしくて、消えてしまいたくなる。
「それだけは、やめてください」
こみ上げてくる涙を抑えきれず、つーっと頬を伝っていと、先輩は涙を舌で舐め取って、口端をつりあげた。
「まあ……可愛らしいあなたのお願いですから、聞いてあげてもいいですよ。ただし」
先輩は私の隣に腰を掛けると、肩を抱くように抱き寄せ、私の髪を一本一本毛を梳くようにして撫でていく。
「あなたは首輪のついたペットとして、私のことはご主人様と呼びなさい。そうすれば、あのビデオは私のものだけにしておきましょう」
私は頷くしかなかった。
「それから、ご主人様の言うことは絶対で、逆らえば罰を与えるし、従えばご褒美をあげることにします。わかりましたね?」
「……はい」
力なく返事すると、ご主人様は手錠を外して、首輪だけを残した。
「今日からあなたは人間じゃない。私の可愛いペットです」