第3章 <2>首輪のついたペット
ひんやりとした声色に、奈落の底に突き落とされた気分になった。それでもトイレに行きたくて、尿意をごまかすように膝をもぞもぞと動かすと、先輩はぐっと股を開き直し、私の秘部に手袋を付けたまま二本の指を突っ込んだ。
「っ……!」
「どうしても行きたいなら、漏らしなさい。ここで」
ぐりぐりと中を押されると、尿意は一層強くなった。ここで漏らしたら、絶対に駄目だ。そう思っても、溜められる容量は限られている。何度も執拗に押されると、私の体はあっけなく負けてしまった。
じわっとシーツが濡れていくのを肌で感じる。膀胱は空になったけれど、それ以上に私の心まで空っぽになってしまった。
「おやおや、本当に漏らすとは。はしたない女だ。いやトイレに失敗したペットか」
放心状態に、追い打ちをかけるような台詞。私の心はほとんど折れていた。
「さて、あなたが漏らしたところを見せてあげましょう」
そう言って先輩が目隠しを外すと、シーツにびっしょりと染みが出来ているのが見えて、思わず目を逸らした。