• テキストサイズ

【ヒプマイ】入間先輩の調教シリーズ

第3章 <2>首輪のついたペット


重苦しい気分で署を出て、指定された場所へと向かう。仕事柄、いろんな現場を見てきたけれど、何よりも今日が一番緊張する。

ビルは路地裏にひっそりと建っている雑居ビルで、地下へ続く階段は薄暗い。一歩一歩降りていく度に、私が履いている低いヒールの音が反響して響く。

たどり着いた茶色の重厚そうな扉には、何の看板も札も掛かっていない。何が起こるか分からない不気味さに吐き気がこみ上げ、両手で口許を押さえながら、体で扉に体重をかけた。

ギィ、と扉を開けると、そこは意外にも綺麗に整った空間が広がっていた。

全面グレーのコンクリート壁にはいくつかのダーツボードがかかっており、他にはワインレッドで統一されたベッド、黒いソファと壁掛けのテレビが1つずつ配置されている。

棚に並んだお酒のボトルと、数席のカウンターも備え付けられバーのようなスペースもあり、部屋の奥には別の扉も見えた。


一歩中へ踏み出し、扉が閉まる音がすると、背中にぴたりとくっつくように誰かが立った。


「動くな。後ろに手を回すんだ」


入間先輩の声だ。私はその場で立ち止まり、息を飲む。鞄を置き、言われたとおりに手を後ろに回すと、カチャリ、と手錠がかけられる音がした。


「19時ぴったりだ。あなたは、警察官の鏡ですね」
/ 43ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp