第3章 彼は子作りがしたいらしい。
今日は、私の家に独歩が泊まりに来ている。社畜で残業が多い彼は、私の家に来てもぐったりしていることが多い。
でも私が独歩の家に行く時より、彼は甘えん坊になる。テレビを見ながら私の太ももに頭を乗せて膝枕をせがんだり、料理を作っていると後ろから不意に抱き締められたりする。
嫉妬した時の彼は別人のように怖いし、ネガティブな発言が多いけれど、私の前では、結構可愛いな、と思う。同い年なのに、母性本能をくすぐられる。
今日もリビングでテレビを見ながら、彼は私の太ももの上に頭をのせ、膝枕の状態でぼんやりしていた。
「なあ、」
「ん、どうしたの」
独歩はくるりと仰向けになると、やけに真面目な顔で私を見上げた。
「あのさ、俺、色々試してみたんだ」
「試すって……何を?」
何を言っているか分からなくて首を傾げる。
「……精の付く食べ物」
私は唐突な発言に動揺して、喉から変な声が出そうになった。
「ちょっ、ちょっと何言ってんの」
「いや、こないだ2回もしたのに……何もなかったから」
確かに以前の従兄騒動で一方的にキレた彼は、私の許可もなく2回中出しをした。でも私には何も起こらなかった。