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恋と麻薬【名探偵コナン】

第8章 お招き



「この前のパーティーの後は大丈夫でしたか?」

しばらくの間世間話などをしていたが、沖矢さんにそう尋ねられた。

「はい、特に何にもありませんでした。沖矢さんのお陰かもしれません。ありがとうございました」
「いえ、ただの人助けですから」

帰ってからは身体には異常がなかった。身体には。
変な勘違いはされたが。


「カホさんは今お付き合いされてる方がいらっしゃるんですか?」
「え?」

突然の彼の言葉にココアを飲む手が止まる。

「あ、すいません。この前手助けとは言えキスをしてしまったので、彼氏さんがいたら少し申し訳ないと」
「いませんよ、彼氏なんて」


この先多分、できることもない


私は再びココアを口にする

「沖矢さんはいるんですか?彼女さん」
「いえ、私もいません。工学部ですし出会いもありませんから」
「確かに工学部は女子少ないですね」

沖矢さんかっこいいから彼女がいてもおかしくはないと思っていたが、それなら手助けにキスもしないか。


「そういえば、沖矢さんはよく阿笠さんの家にお裾分けに行くんですか?」
「ええ、作り過ぎてしまうことが多くて」
「自炊しているだけでも凄いと思いますけどね」
「1人になってからですよ、自炊するようになったのは」

1人…

「沖矢さん、この家に1人で住んでるんですか?」
「ええ、と言ってもこの家は私のではないんですがね」
「え?そうなんですか、」

そうなんですか、と言ったが全然わからない
誰かの家を借りているということなのか
でも、こんなに大きな家を?

「この家はあの推理作家の工藤優作さんのお宅なんですよ」
「え!あの有名な…」
「たまたま彼の奥さん、工藤有希子さんと知り合いでして」
「す、凄いですね」
「私の家が家事で焼けてしまいまして」
「それは、大変でしたね」
「ええ、住む所が無くなってしまったところ、有希子さんからこの家に住まれてはどうかと」


なるほど
表札の疑問が解けてどこかすっきりした気分だ


「こんなに広い家に1人ってなんだか寂しい気もしますね」


「ええ、


誰か一緒に住んでくれる人がいるといいんですけどね」



両親が亡くなった時、実家で1人になった時は寂しかった。
考えは違えど大きい家に1人というのはどこか人が恋しくなるものだ。







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