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恋と麻薬【名探偵コナン】

第7章 願望


「朝からほんとに可愛いですね、カホさん」

そう言って彼は私を後ろから抱きしめた。


「…!ちょっと、何してるんですか」
「カホさんを抱きしめてるんですよ」
「そうじゃなくて!離れてくださいよ、」
「嫌です」

彼は抱きしめる力を強くした。

これはもう無理だと思って抵抗するのをやめた。





顔なんか見てないで早くベッドから降りるべきだった…










安室さんはなかなか私を離してはくれず、
お腹空きました、と言ってようやく解放してくれた。





ベッドから降りようとした時、私は床に黒のドレスが落ちているのを見つけた。








やばい、これ園子ちゃんのじゃん…









家に持ち帰ってしまったのに加えあんなことをして放置してしまっていたそれ







返さなきゃいけないけど、返せるものでもない…!







どうしよう…と思い、とりあえずクリーニングには出しとこうとそれを片付けた。










安室さんと2人で朝食をとってしばらくの間のんびりと過ごす。

私は午後から仕事なのでもう少したったらそろそろ支度を始めなければいけない。







「今日ポアロに寄ってもらうことはできますか?」

安室さんはソファに座ってパソコンを開いていたのだがそれを閉じてそう尋ねた。


「仕事帰りになってしまいますけど寄れますよ」
「なら良かったです。是非来てください。新作のケーキを食べてもらいたくて」
「また新作作ったんですか、すごいですねほんと」
「カホさんに食べてもらいたくて」
「前もそんなこと言ってましたね」



どうやら彼は私に感想を聞かせてほしいとのこと。
美味しくないはずがないのだが、一体どこからそんなに次々とアイデアが出てくるのか。








「行ってきます」
「はい、行ってらっしゃい」



帰り、待ってますね、と言って安室さんは手を振る。
彼に送り出されるのは随分と久しぶりだ。






昨日はあんなことになってしまったけど、彼と一緒に過ごせたのは1週間ぶりだった。


家に誰かがいる、二度とそれは味わえないと思っていたけどやっぱり嬉しいものだな、と私は軽い足取りで会社へと向かった。



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