第4章 友達
「カホ君直ったぞぉ」
博士は腕時計をカホに渡した。
「あ、ほんとだ!ありがとうございます!」
カホは満面の笑みを浮かべて大切そうにそれを手首へと付けた。
少年探偵団のみんなが家に帰るというので私も家に戻ることにした。
途中までコナン君と横に並んで一緒に歩く。
「カホさんって来週の土曜日蘭姉ちゃん達とパーティーに行くんでしょ?」
「そうだよ、コナン君は行かないの?」
「うん、なんか大人だけしか参加できないんだって」
「そーなんだ、いつもコナン君蘭ちゃんといるもんね」
「う、うんまあね!」
「コナン君蘭ちゃんのナイトみたいだもん!」
「そ、そっかー」
コナン君にそう言うと彼は少し頬を赤くそめていた。
家に帰ってくると彼はいなかった。
まだパーティーに行くことは言わなくていいかな
次に彼が家に帰ってきた時でいいか、と夕飯の準備を始める。
シチュー食べてきちゃったから軽くでいいかな、なんて思って冷蔵庫を開けた。
彼はパーティー当日になっても帰ってこなかった。
こんなに空けるのも珍しいな、とも思いつつ、連絡も入っていないことから相当忙しいのだと思う。
─園子ちゃんから誘われたパーティーに行ってきます─
そう連絡を入れて園子ちゃんの家へと向かった。
「カホさーん、いらっしゃい!さあ入って、入って!」
相変わらず凄いお家だなと思いながら衣装部屋へと案内される。そこには何十、何百着ものドレスがずらーっと並べられていた。
「蘭は好きなの選んで!カホさんはちょっと待っててねー」
そう言って園子ちゃんはすでにいくつかに絞られているのか、迷うことなくドレスを手に取って私に渡してくる。
蘭ちゃんはそれを傍で笑ってみていた。
なんかこれ、露出高くないか??
「どうかな、これ…」
私が選んだのは黒のキャバドレス。
タイトになっていて身体のラインがはっきり見えるがワンショルダーになっている。
他のドレスは胸元がざっくりしている物が多く、それを着こなせる自身はなかった。
少し露出は高いがシンプルで好きなデザインだった。
「めっちゃ似合ってます!これは周りの男がほっときませんね!」
園子ちゃん、目がキラキラしすぎ…