第4章 友達
「羨ましいです、カホさん何でも着こなしちゃうから…」
そう褒めてくれる蘭ちゃんはピンクのワンピースっぽいドレス。
「蘭ちゃんも凄く似合ってるよ、新一君に見せてあげたいね」
そう言うと蘭ちゃんは顔をぼわっと赤くさせた。
「な、なに言ってるんですか、あんなやつ…」
「旦那がここにいなくて残念だったわね!」
蘭ちゃんにはずっと待ち続けている幼なじみの高校生探偵の工藤新一君、という子がいるらしい。
真っ直ぐに好きでいられるって羨ましいな、と私は蘭ちゃんを見つめた。
全員がドレスを着たあと、ヘアアレンジとメイクまで園子ちゃんの家でやってもらった。
「何から何までほんとにありがとう…!」
「いえいえ、もうカホさん大人の女性って感じで!」
普段自分ではとてもすることのできないメイク。
鏡に映った自分はもはや自分とは思えなかった。
「これは昴さんもメロメロになっちゃうかもね~」
「え…???、昴さん?」
「あれ、言ってませんでしたっけ?今日は昴さんも来るんですよ!」
そうだったのか…知らなかった
「コナン君に女性だけだと危ないから誰か大人の男性を連れってた方がいい、って言われて、そしたら昴さんが私でよければ、と」
「そうだったんだ…」
コナン君は蘭ちゃんを守れないから別の人を寄越したのだろうか。
そうでなくとも何ともしっかりした子だ。
なんか小学生とは思えないな。
そろそろ、行きましょう! と園子ちゃんの車でホテルまで送ってもらった。
「昴さん!お待たせしました!」
「いえ、私も今来たところですよ」
沖矢さんは黒のスーツに赤いネクタイで、それはもうビシッと決まっていた。
「昴さんがスーツって初めて見たかも」
「まあ、こーいう機会でしか着ませんね」
「似合ってますね!」
「皆さんもとても良く似合ってますよ」
蘭ちゃんと園子ちゃんと話していた沖矢さんはそう言うとこちらを向いて、
「カホさんも…とてもお綺麗です」
と言った。