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恋と麻薬【名探偵コナン】

第27章 見えない心


夕飯を食べ終えたカホはお皿は自分が洗う、とキッチンへと向かった。

洗剤で洗い流し、次々に重なっていく食器。
ふとカホは横に人の気配を感じた。

「大丈夫ですよ、あと拭くだけですし」
「これぐらいさせて下さい」

安室は次々と積み重なった食器を丁寧に拭いていく。
結局2人がかりでやった洗い物はカホが思っていたよりも早く終わった。



カホは安室にお礼を言ってから彼に尋ねた。

「安室さん今日は先にお風呂入りますか?」

「僕は後から入るので、カホさん先に入ってきて大丈夫ですよ」

「そうですか、ありがとうございます」


その言葉を聞いて浴室へと向かったカホはいつもより早めにリビングへと戻った。




それからカホはずっとリビングのソファーに座っていた。
小さい音でテレビを付けて、興味もない番組をただひたすら流していた。

テレビの内容なんて全く頭に入っていない。

カホは全神経を耳に集中させていた。
彼の部屋から聞こえる物音を、扉が開くその瞬間を。











時計の針は12時を過ぎていた。

安室の部屋のドアがガチャ、と開いた。


「カホさんまだ寝てなかったんですか、もうこんな時間なのに」

安室はリビングにまだカホの姿があることに驚く。
カホは安室の声に後ろを振り向いた。

安室はカホの予想通りの服装をしていた。
夜に出かけて行く時の、あの仕事をする時の

出来れば当たって欲しくなかったその予感。



もう逃げることは許されない


カホは安室の姿を見てそう心で呟いた。




「そろそろ寝ようかと思ってたんです」

そう言ってカホはテレビの電源を落とした。

そのままキッチンへと向かってカホはコップに水を注いでそれを一気に飲み干した。




「ねえ安室さん」


空になったコップを置いてカホはキッチンの中から安室の名前を呼んだ。


「安室さんは、私のこと好きですか」

カホは小さく呟いた。


「どうしたんですか急に。カホさんがそう言ってくるのは珍しいですね」

安室は一瞬困惑の表情を浮かべたが、笑みを浮かべてそう尋ねた。


「少し、気になってしまって」

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