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恋と麻薬【名探偵コナン】

第24章 "彼"



赤井の死を知った時、彼の死を悲しむと同時にジョディの頭にはカホの姿が浮かんだ。

何も言わずにこの世を去ってしまった事、二人が姿を見せることもせずに本当の別れを迎えてしまったこと。

やっぱりこんなのだめよ、

涙を流しながらそう思っても既にそれは遅かった。

もう二人は会えない、話すこともできない。
自分があの時必死になって探して二人をもう一度会わせていれば今とは違った状況になっていたんじゃないか。
お節介だとしても、それに意味があったんじゃないか。

ジョディは何日も無意味の後悔に苦しんだ。



カホと杯戸小学校で再会したのは全くの偶然だった。
真実を言うチャンスを与えてくれたのではないかと思った。
けれどジョディはその時赤井とバーボンの件で多忙だった。

一段落したらカホに連絡を入れよう、ジョディはそう決心した。












─屋根を開けろ、開けるんだキャメル─


つい先日聞いたその声にジョディは夢でも見ているのかと思った。
もう二度と、会えないと思っていたその相手。

今なら組織と縁を切っている赤井であればカホと会うことは可能なのではないか。
ジョディは素直に赤井に話した。
長年自分の思っていた二人のこと。
カホと再会したこと。

すると赤井は言った。


─今更言ったところで、何も変わらないさ─


ジョディはその言葉に眉をひそめた。
まだ会ってもいないのにどうして最初から諦めるのかと。
あんなに好きだったカホに会いたくないのか、真実を伝えて関係を戻したくないのか。
カホもちゃんと言えば分かってくれるはず。

なのにどうしてそれをしようとしないの。

ジョディは納得いかなかった。
赤井に聞いてもそれ以上は何も言わなかった。
なら自分が行動するしかないと思った。
そして今に至る。








「シュウが潜入捜査を命じられた組織は自分たちにとって邪魔な相手、不利な相手だと分かれば直ぐに存在を消そうとするような手段を選ばない所よ。シュウは自分がFBIのスパイだとバレた時の事を恐れた。カホに、危害が及ぶことを」
「そ、そんな。私なんて何も」
「言ったでしょう?組織は邪魔者は消すって。恋人の貴方なら間違いなく殺されるわ」








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