第24章 "彼"
どうしてジョディさんとコナン君が?
そもそもジョディさんはなんでこんな所に、
2人を見てさまざまな疑問が浮かんだ。
けれどそれはふと後ろから聞こえた声によって消された。
「カホさん?」
なぜ貴方もこんな所にいるの
安室さん
「お仕事ですか?」
「ええ、そうです。安室さんはどうして?」
「僕は探偵の方の仕事でちょっと」
「探偵、」
そう言えば彼はポアロのバイトと裏の仕事に加えて私立探偵をしていたんだった。
2つだけでも多忙なのにいつそんなことをする時間があるのか。
疲れて、倒れてしまわないだろうか、
「大丈夫、ですか?」
「え?」
「ちゃんと休めてますか?身体、無理してないかと」
「はは、大丈夫ですよ。僕はカホさんがいる家に帰ることが休息みたいなものですから」
笑顔でそう言う彼に家でもパソコンを開いて作業をしている姿が浮かんで
全然、休めてなんかないのに、
そんなのにも気づいてあげられなかった。
家でニコニコ笑っているだけの自分は彼に何も出来ていない、むしろ世話を焼かせてしまっているのではないかと思った。
せめて身体にいいご飯でも作ろう
「安室さん今日は…
「すいませんカホさん今ちょっと急いでまして、後今日は家に帰れそうにありませんので先にお休みになっていてください」
何時に帰って来れそうですか、その質問は出来なかった。
走り去っていく彼を見てさっきの2人を思い出した。
何か…あったのかな
でも自分には関係の無いこと、それに自分はここに仕事に来た。
時間を潰している暇は無いと私は保健室へ身体を向けた。
「ただいまー」
安室さんの家の扉を開けて1人そう呟く。
もちろん中から返事は無く、廊下を歩く1人分の足音が聞こえるだけ。
私は鞄の中からコンビニで買ったカップラーメンを取り出した。
自分1人となると、今日は料理を作る気にはなれなかった。
身体にいい料理とか言いながら自分が口にしているのはカロリーも塩分も高い真逆のもの。
それを食べ終えそのままお風呂へ入った。
お湯に浸かって仕事の疲れを和らげながら考えた。
安室さんは私が知らないだけで本来はものすごく多忙なのかもしれない。
それを家では見せないように作っているのかもしれない。
それは、私がいるから?