第21章 拘束※
「ところで、沖矢昴にはどんな風に愛されたんですか?
優しく?
激しく?
それとも名前で呼ぶくらいだから
愛を伝えあって仲良く恋人ごっこでもやってたんですか?」
安室さんがどこまで昴さんのことを知っているのか分からない。
けれど昴さんに危険を及ぼしてはいけない。
私のせいで昴さんを巻き込んではだめ。
「昴さんは…恋人でもなんでもありません。
ただ困っていた私を助けてくれただけです」
「セックスまでしといてですか?」
「…それは、」
この身体からして彼とは何ともなかった、とは言い難い。
でも昴さんとは本当に恋人ではない。
だからと言ってセフレなんかでもない。
友達、にしては何だか軽すぎるような気もする。
1番頼りにできる人
それが昴さん
「僕はカホさんが居なくなってからずっと貴方の事を探してましたよ。毎日カホさんの事を思って。
そんな中カホさんは別の男に抱かれて、その男の腕の中で眠っていたんですよね」
私だって安室さんのこと…
そう言おうとして止めた。
これを言ったら彼との時間が何も進んでいない気がしたから。
「僕だけですか…。こんなに会いたいと思って、触れたくて、声が聞きたくて」
嫌だ…やめて…それ以上言わないで
「僕はカホさんとずっと一緒にいたかった。2年前のあの時、カホさんに会った時から…僕は…」
やめて…聞きたくない…そんな言葉は…
「貴方の事が好きだったのに」
ああ、神様
私は何をしたって言うの?
こんな苦しい告白、どうしてされなきゃいけないの?
私は彼の何を信じればいい。
どの姿を、言葉を
好きだと言われて嬉しいはずなのに
私も同じだって伝えたられたらどんなに楽なことか
でも今は、胸が張り裂けそうなぐらい苦しい
「…いらない」
「は?」
「いらないって言ってるの!そんな何の感情もない告白なんか!利用したいならそう言えばいいじゃない…、わざわざそんな遠回しの言い方なんかして…そう言ってまた私を騙すんでしょ?それで私が勘違いして、その姿を見て楽しむの?馬鹿だなって、そう思うんでしょ?」
私は感情をぶつけた。
両目からは涙が溢れて、途中で叫んだような声にもなった。
でもいつか言わないと自分が潰れそうだった。
彼に依存して、離れられない私が