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恋と麻薬【名探偵コナン】

第21章 拘束※



私の気持ちは変わっていない。
何度忘れようと思っても、利用されていたと知っても

私は安室さんが好きなまま

それは今も同じ


でもこうしてベッドの上で安室さんに見下ろされている私の心情は


彼が怖くて、逃げ出したくて

昴さんに…助けを求めたかった



「カホさん、今どこにいるんですか?」

以前にも聞かれたその質問。
私はただ彼の目を見て沈黙を貫く。

「ならば言い方を変えます。



誰と一緒に住んでいるんですか?」



思わずゴクッと唾を飲んだ。
どうして、それを…

私は彼にそんなことを言った覚えはない。


少し呼吸が苦しくなって、彼の目を見るのが怖くて

私は無意識に目を逸らした。


けれど彼はそれを許さなくて
頬を掴まれて自分の方に向けさせて
無理矢理目線を合わせられた。


「誰に抱かれた?」

そう聞いた彼の声は今まで1度も聞いたことがなかった。
その口調も、声の低さも、重みも

貴方は誰?

思わずそう思った。


「…誰でもいいでしょ。もう安室さんには関係ないじゃない」

そう、関係ない
貴方が私に近づく理由はないはず
私が誰といようと、誰に抱かれようと
安室さんが気にする必要はどこにあるの?


「だから早くこの手錠を…




「沖矢昴






彼ですよね」




どうして…
どうして昴さんのこと


一瞬にして思考が停止した。
まさか彼の口から昴さんの名前が出るとは思ってなかったから。


「無言は肯定…そういうことですよね」
「ち、ちが…」
「あ、彼に助けを求めようと思っているなら無駄ですよ」

そう言って彼は私にスマホの画面を見せた。



─会社でトラブルが発生してしまったので暫く会社で寝泊まりします。いつ帰れるか今のところ分かりません。恐らく連絡をくれても返せないと思います。連絡遅くなってごめんなさい─

彼が持っているのは私のスマホ。
そしてこの文面は私から昴さんに既に送られたメールの内容。


背筋が凍りそうになった。
手足には鳥肌が立っているんじゃないかってぐらい

安室さんが怖かった。



「沖矢昴はここに来ることはありません。ここには僕とカホさんの2人だけ。たっぷり時間はあります。存分に愛してあげますよ」


そう言って笑った彼の顔は

ぞっとするほど美しかった。





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