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恋と麻薬【名探偵コナン】

第20章 上司


「今更恥ずかしがることなんてないですよ」

ベッドの上で毛布にくるまったままカホは沖矢の言葉を聞いた。

「こんな…誰かに見られたら、」
「上手く隠せば大丈夫ですよ」

それとも…と沖矢はカホのいるベッドへと近づく。
身体を屈ませカホの耳元で囁いた。

「誰かに見せる予定でも?」

「そ、そんなわけないじゃないですか!」

カホは焦った様子で沖矢に言う。


「もしそうだったらどうしようかと思いましたよ」

沖矢はそう言ってニコッと笑った。



カホはふと時計を見る。

そろそろ支度しないと…

「あの、そろそろ着替えたりしなきゃいけないので…」
「ああ、もうそんな時間でしたか」
「はい、なので、その」
「なんですか?」
「一旦外に出てもらえると助かるのですが、」
「どうしてですか?」
「どうしてって、昴さんがいたら着替えられませんから」
「何も恥ずかしがることなんてないですよ。お互い裸を見せた仲じゃないですか」
「そ、それとこれとは別です!」
「今更隠すこともないでしょう」
「お願いだから外に出て下さい!」

カホは部屋から沖矢を出そうとベッドから立ち上がる。
カホの身体を包んでいた毛布がハラりと床に落ちた。

「あっ…」

カホは咄嗟に毛布を拾おうと手を伸ばす。
しかしその手は沖矢に掴まれ、グイッと沖矢の方へ引っ張られた。


「…んっ…」

沖矢はカホの後頭部を掴んで口付けをした。
カホは逃げようとしたが沖矢に後頭部を固定され顔を逸らすこともできない。

ましてやカホは何も身にまとっていない状態。


カホの腰に回されていた手はスっと白いお尻を撫でる。

「んんっ…、はぁ…ちょっと昴さん!」
「なんでしょう?」
「なんでしょう?じゃないです!」

カホは少し怒るように沖矢に訴えるが沖矢はニコニコとしたまま。

はっ、と時間を思い出したカホは恥ずかしがりながらも沖矢を部屋の外へと追い出した。


扉の向こうで沖矢は彼女に触れた唇を親指でそっと撫でた。



「行ってきます!あぁ、もうギリギリ…」
「気をつけて下さいね、焦りは禁物ですから」
「誰のせいでこんなになってると思ってるんですか」
「さあ、誰でしょうね」



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