第17章 重なる※
沖矢はカホの胸をタオル越しにやさしく拭いていた。
いくらタオルが間にあるとしても、その感触はしっかり伝わっている。
今は左側を拭いているため、右側の膨らみは何も纏っていなかった。
もちろんそれは身長の大きい沖矢からは見える位置にある。
沖矢はカホの体を拭きながらも多少の変化に気づいていた。
自分が触れていた頃と、サイズが違っている
それはつまり、サイズが変わる何かしらの要因があったということ。
女性の胸が大きくなるのは食べ物が原因でもあったりするが、その他に
胸を揉まれたり、性的興奮を覚えたりすると大きくなる
という一説もある。
実際、カホは安室と暮らすようになってから自分の胸の大きさに変化を感じることがあった。
以前付けていた下着がきつく感じてお店に行って測ってもらったところ、サイズが大きくなっていたのは事実だった。
沖矢はその考えがふと過ぎり、先程まで感じていた優越感が薄れていくのを感じた。
タオルを右胸の方へ移動させようとした時、スルッと沖矢の手からタオルが抜け落ちた。
そのままタオルは床に落とされる。
「あ、すいません」
空になった沖矢の左手。
カホは意識を遠ざけようとしていたため、沖矢がタオルを落としたことに気づくのに時間がかかった。
「別の持ってきましょうか?」
カホは沖矢に尋ねる。
「いえ、取り行くのは大変なので」
そう言うと沖矢は水の入った水面器に手をつけた。
カホは沖矢が何をしようとしているのか分からずただ次の合図を待つだけ。
しばらくしてカホは自分の胸にタオルとは明らかに違う感触を感じた。
「…っ、す、昴さん?」
「タオルがなくても拭けないことはないですからね」
カホの胸に触れていたのは沖矢の手だった。
沖矢は優しくカホの胸を上から撫でるように滑らす。
「やっ…ちょっと…」
急に触れられたことに同様を隠せないカホ。
沖矢は表情に変えずにその行為を続ける。
時々沖矢の指がカホの突起に触れ、カホは思わず身体が反応する。
自分ではこんなことならないのに、
カホはそんな気を無くそうとばかりに平然を保とうとする。
それが沖矢に通用するわけがなかった。