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恋と麻薬【名探偵コナン】

第17章 重なる※


「下着、取ってもいいですか?」
「えっ…いや、駄目です!てか自分でやります!」
「そんな暴れると危ないですよ」

沖矢は後ろからカホのお腹へ腕を回した。

「…っ」

後ろから抱きしめられるような形にカホは思わず体に力が入る。
ただでさえカホは上は下着のみ、沖矢が触れているのは自分の肌なのだ。
直に伝わる沖矢の手のひらの感触がカホにはこそばゆかった。

この異様な雰囲気にカホは戸惑うばかりでいた。


沖矢はカホを後ろから抱きしめながら彼女の様子を伺う。

カホの耳は真っ赤に染まっていた。


沖矢は自然と口角が上がるのを感じた。



「これ、邪魔なので外しますね」
「えっ」

パチンッと沖矢はカホの下着のホックを片手で外した。
急に締め付けが無くなりカホはあたふたと慌てる。

それよりも上は隠すものが無くなってしまった。
カホは咄嗟に左手で自分の胸を隠した。

「ちょっと、何やってるんですかっ…」
「だって外さないと洗えないでしょう?」

沖矢は慌てて真っ赤になっているカホに何が悪いのだと言うかのようにそう答える。


昴さんに見られるなんて恥ずかしくて死にそう…


カホはこの状況に冷静でいられないでいた。
恋人でもない、しかも一緒に住んでいる異性に自分の裸体を晒すなど出来るはずが無い。
しかも昴さんはさっきからずっと落ち着いたまま。
私だけが焦って騒いでいる。

昴さんは本当にただの手助けのつもりでこんなことしてるの?

そう思ったカホは自分が勝手に勘違いして一人であたふたしている状況にとてつもない羞恥心を感じた。

私は昴さんの優しさを踏み躙ってるのだろうか

元々最初に頼んだのは私だ

昴さんの厚意を、邪魔してるだけ?

だとしたら、こんな、嫌がる真似は…


「カホさん、腕を退けてもらってもいいですか?」

「…はい」

カホはゆっくりと自分の手を退けた。


沖矢はタオルをカホの胸へ当てた。
ひんやりした感触が伝わり、微かにカホの体が震えた。



恥ずかしい

恥ずかしい


カホはこの作業に意識をしないように遠くの壁をずっと見ていた。





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