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恋と麻薬【名探偵コナン】

第15章 語られる存在


「…んっ」

眠っている彼女の唇には赤井の唇が重ねられていた。

俺は何をしているんだ

そうは思っても赤井は抑えることができなかった。


嫉妬と、自分の中で溢れ出した欲望を





赤井は彼女の唇の形をじっくりと堪能する。

かつて何度も口付けて味わった、彼女の柔らかな唇。



舌先で彼女の唇を舐めて形をなぞった。

別の男の跡を消すように、何度も…何度も


彼女の唇が自分の唾液で濡れているのはなんとも官能的だった。

自分の中で湧き上がってくる独占欲。



そもそも彼女に想い人がいた所で俺の気持ちは変わらない

俺は自分の決めたことをするだけだ

彼女を、カホを

自分の元へ取り戻す


それだけだろう














赤井は彼女の唇に自身の唇を重ねる。

「んっ…」

時々彼女から漏れる声。


起きていれば、もっとその声を聞けるんだがな


決して起こしてはいけないこの状況。

しかし赤井は楽しんでいた。

自分の手で、彼女を思い通りにしているこの状況を。

少し前までは触れたくても触れられなかった。

会いたくても会えなかった。



そんな彼女が、今はこんなに近くにいる。

我慢できるはずがなかった。






赤井は舌で器用にカホの歯を開かせ、中へと舌を侵入させた。

見つけた彼女の舌を自分ので絡みとる。


いつかのパーティーでの記憶が蘇った。





「…んん」
カホは少し苦しそうに声を漏らす。
そんな声でさえ赤井を刺激するのには十分だった。

赤井はさっきよりも深く口付けをした。








たらーっと彼女の口の端からどちらのかも分からない唾液が伝う。
それを赤井は舌先で舐めとった。



赤井はカホから唇を離した。
少し開いた彼女の口。


赤井はその中に自分の指を入れた。

舌先に触れる度に濡れていく自分の指。
柔らかな口内の感触が指先に伝わる。

それをいつまで続けていたのか、彼の指が外へ再び出されたとき、それはカホの口と透明な糸で繋がれていた。


その濡れた指を彼は自分の口内へと入れた。
彼にとってその指を舌で舐めとる異様な行為は、カホに対する愛情の何物でもなかった


赤井は彼女の顔をもう一度確認してからリビングを出た。


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