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恋と麻薬【名探偵コナン】

第14章 訪問者


こんなことですぐ彼のことで頭がいっぱいになって、

ちゃんと忘れられるのかな、なんて

グラスに滴る水滴を見つめて一人思った。



「カホさん、少し坊やと2人で話してきてもいいですか?」
「ええ、全然」
「わーい!またシャーロックホームズについて話してくれるんでしょ?」
「ええ、今日は何の話をしますか?」

コナン君は嬉しそうに昴さんの後をついてリビングを出た。

なるほど、二人はシャーロックホームズで仲良くなったのか。


カホは1人になったリビングでさっきのコナンの言葉を思い出しては彼の姿が浮かんで必死に消していた。

それは何度も、何度も…
















コナンは書斎の扉を開け、中に入ると足を止めた。

「それで…ちゃんと話してくれるんだよね?カホさんとのこと」
「大体の予想はついてるんだろう」

沖矢は書斎の扉を閉めると喉についた変声期のボタンを押して赤井の声に戻った。

「カホさんと赤井さんって昔付き合ってたの?」
「さすがだな、やはり坊やには誤魔化せないな」
「あんだけのこと人前で言っておいてよく言うよ」

コナンは赤井の方を向いてじっと彼を見つめた。

「彼女は一般人だよね、」
「ああ、黒の組織でも、警察でもない。ただの一般人だ」
「それなのに、今になってまだ近づく必要があるの?」
「坊やは俺が彼女に近づくのをいいとは思ってないのか?」
「俺は…ただ…彼女には幸せになってほしいんだ」
「それは、どういうことだ?」

コナンは手をぎゅっと握って少し俯いて話した。

「赤井さんなら知ってるでしょ、彼女の両親の事故」
「ああ、後から知ったが」
「…彼女は見てたんだ、両親の最期を」
「なぜ坊やがそれを知っている」
「…たまたま近くにいたんだ。恐らく彼女は俺が彼女を見ていたことは知らないだろうけど…。」
「…そうか」
「目の前で見たんだ。車が爆発するところを。彼女は崩れ落ちてた。多分、相当苦しんだと思う。」
「…」
「俺は彼女に何も出来なかった。しばらくたって彼女に再会してからもずっと気にかけてるんだ。どこかで苦しんでないかって。
だから、もしカホさんに興味本位で近づいてるんだったら…」
「坊や」

コナンは赤井の声に視線を向けた。


グリーンの瞳が静かに開いていた。
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