第14章 訪問者
「あ、そう言えば今日はお客さんが来るんですよ」
「お客さん?」
そろそろですかね、と昴さんは時計を確認する。
ならもっと掃除ちゃんとしとけば良かったかな
こんな部屋着みたいな格好でいてもいいのか
自分の中で色んな考えが渦巻く。
─ピーンポーン─
「来たようですね」
昴さんは玄関の方へと向かう。
私はここにいてもいいんだろうか。
私があたふたしているのを察したのか昴さんはクスリと笑って
「大丈夫ですよ、カホさんもよく知ってる人ですから」
と言った。
よく知ってる人?
誰だろう
蘭ちゃんとか?
手伝いに来てくれるとか言ってたし…
勝手に考えを巡らして扉から現れる人物を待つ。
─ガチャ─
「待ってましたよ、
コナン君」
「こんにちは昴さん。それと、カホさんも」
扉から現れたのはコナン君。
てっきり大人の人か蘭ちゃん達だと思っていた私は予想外れの人物に驚く。
昴さんとコナン君は仲がいいんだろうか
大学院生と小学生
まあ有り得なくはないけれど、そんな家を訪れるほど親しくなるものなのかな
あ、コナン君も昴さんと同じでなんだか大人びてるけど
「ね?カホさんもよく知ってる人だったでしょう?」
「言ってなかったの昴さん」
「ええ、彼女を驚かせようと思って」
2人は仲良しげに話している。
コナン君は慣れたようにリビングへと入る。
この家に何度か来ているのかな。
昴さんと仲良いんだからそれはそうか。
未だに謎が多いコナン君に私は興味が湧くが、今は余り気にしないでおこうとリビングへと入った。
「カホさんはココアでいいですよね」
「あ、はい。ありがとうございます」
「坊やはアイスコーヒーだったかな」
「う、うん」
そう言えばコナンってポアロでもアイスコーヒー飲んでたっけな。
最近の小学生ってこんな子ばっかなの?
「凄いね、コナン君ってもうコーヒー飲めるの?」
「う、うん。オレンジジュースも好きだよ、」
あ、やっぱ子供か
昴さんがココアとコーヒーを持ってこちらにやってくる。
それぞれ受け取って口をつける。
あ、やっぱここのが一番美味しい
しばらく皆飲み物を飲んで誰も何も発さず、なんだか私はソワソワとしていた。
が、コナン君が口を開いた。