第20章 羨望
いよいよ寝室に入ってきて、ようやく私の存在を認知したらしい。何だかホッとした気配がする。
「、具合悪いのか?」
布団をすっぽり被っているので顔は見えない。けど、その声は優しい。
「……寝てんのか。」
実弥は少ししゅんとしたように言う。
じ、自業自得だ、おバカ。
ポンポン、と体を撫でて実弥は寝室から出ていった。
次の日。
やることをやった後で冨岡くんと合流した。実弥はどうせ帰ってこないし連絡いれなくてもいいや!!!
「冨岡くーん!」
「霧雨」
「つかまだ五時なんですけど!?冨岡くんどれだけ仕事はやいの!?」
「?一人でやるだけだからすぐ終わる。」
なるほど、ぼっちで無駄話しないからはやいと。
「ご飯、パスタにしようと思うけど良い?」
「良い。」
「じゃ行こー!」
私は冨岡くんを引きずって、近くの繁華街へと乗り出していった。