第18章 これから
「ほんで、家賃は?上限いくら?」
私達はお互い折半でやって来たから、とりあえず今家賃につぎ込める値段で決めるしかないだろう。
二人で少し話し合う。やっぱり実弥はあまり出せないみたい。
「じゃあ、私が多くていいよ。」
「あ?不公平だろうが。」
「私、一応自営だよ?一般の地方公務員と自営業が折半の方が不公平じゃない?」
「お~い。この話し合いはほんまやったら家でやってくるんやで~。知り合いの俺やから待っといてやれんねんで~。」
アマモリくんの催促もあり、実弥も納得した。
うんうん。男が女を養うべきとか、別にそんな考え方いらないし。いざとなったら私が養ってあげるんだから。そう思って毎日ごりごり絵を描いてるんだもん。……旅行行ってたりして今めちゃくちゃ仕事たまってるんだけど。
「家賃決まったな…あとは…場所やけど、何か希望ある?」
「キメツ学園に近くてコンビニスーパーコインランドリー等々あるところ駅からは遠くてもかまわないから自転車と車を一台ずつ置きたいできれば無料で」
「しっかりした彼女おって良かったな、不死川」
「…ほんと感謝しかねえわ……」
「はっは、お部屋借りるんわ圧倒的にキリキリちゃんが上やね!!」
アマモリくんはけたけた笑ったあとに、何件かの物件を紹介してくれた。
「で、どないする?全部見てみる?」
「うん!見たい!」
「おう。」
「ほな行こか。」
こうして私たちは、アマモリくんが運転する不動産鑑定士の車で物件を回ることになった。ざっと三件ほど。