第16章 憂い
「ただいま我が家~!!あとこれお土産。」
ぺしっと投げつけると見事にキャッチした。
そのぬいぐるみをみて少し嫌そうな顔をしたが、礼は言ってくれた。
「むふふ、やっぱり自分の枕が良い~!!あと目付きが完璧ヤクザの実弥がいる!ひゃっほい!!」
「誰がヤクザだッ!!」
実弥が叫びながらぬいぐるみを自分の枕元に置いた。
着替えを置いているので、お互い風呂も実家ですませてきた。もう眠るだけだ。
「実弥、明日も仕事?」
「んや、休み」
「えっ、何で?」
「俺部活も持ってねえし、そんな毎日行かなきゃいけねえわけじゃねえんだ。」
実弥は寝転んで、クマのぬいぐるみにぎゅーと抱きついた。
「あー、久々に休め…ってお前、何写真撮ってんだ」
「いや、ムービーだから。続けて?遠慮なく可愛いことして?」
「ふざっけんな!!!」
枕を投げられたので、そこでムービーを止めた。
まさか抱きついてくれるとは思わなかった。買って良かったー…神様ありがとう。
「ったく、おら寝んぞ。」
「はーい。」
そして、寝室の電気が消える。洗濯とか明日で良いや。
いやー、それにしても。
………いつ話そう。
なーんにも考えてなかった。いつ話そう。やばいやばい実弥寝ちゃうよー。明日もいつ話し始めたらいいのかわかんないよー。
助けて神様。愛してるから。とびっきりの愛をあげるから。