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キメツ学園ー未来編【鬼滅の刃】

第73章 どしゃ降りの雨


「にゃあ」


おはぎが鳴いて、ハッとした。

……はあ、ボーッとしちまってた。


とにかく、あの後有一郎がうまくフォローして阿国への誤解がとけていることを祈るしかねえ。


「にゃあ」


おはぎが鳴く。


「はは、丸くなりやがって。」


撫でてやると目を細めた。


「もうアイツの部屋で暴れたりすんなよ」

「にゃん」


そうそう。俺が何言っても聞かなくて、アイツの部屋の本棚に飛び乗って…。

……その後…。


……たまたま本棚で見つけた…。


「夢……にっ…き………」


ぴいん、と一瞬耳鳴りのようなものがして、俺は弾かれたように自分の部屋に直進した。

どこにしまったか。アイツの部屋に戻していない。また読もうとしてそのままだった。


「クソッ!!!」


俺は部屋中をひっくり返した。三十分ほど探してやっと見つけた。ノート一冊に大惨事だ。部屋がぐっちゃぐちゃになった。

俺の部屋の本棚にあったが、他の本に挟まれて全く見えなくなっていた。

夢日記と書かれたそれを開く。


「……オクニ」


そこに頻繁に出てくる名前をなぞる。


「阿国」


カチッと歯車が噛み合う。


『阿国の顔が見えた。誰かが水桶をくれた。その水面に、阿国の顔が映った。私にそっくりだった。とても不気味で嫌な夢だった。』


……。


まさか。


『今日は前世の夢を見た。黒死牟と戦った。黒死牟は、何度も私にオクニと叫んでいた。誰だろう。』

『誰かが阿国を抱きかかえていた。そのうち耳飾りをした人に会った。優しかった。』

『阿国は初恋が叶わなかったみたい。よくわからないけど、好きな人がダメなこと?したのかも。あと大切な人たちもいなくなって、すごく悲しんでた。阿国はすごい怪我をしていて、ずっと介抱していてくれた人と結婚したっぽい。幸せそうでほっとした。』


この、ノートの中の登場人物は。

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