第71章 青色二つ
二人が中等部の校舎に帰ろうとするのを見ていると、前方から霞守が走ってくるのが見えた。
「あ!!霞守様だ!!」
時透弟が叫ぶ。
「おいィ!!霞守!!走ってんじゃねェッ!!」
俺が怒鳴ると奴はきゅっと上履きの嫌な音を立てて立ち止まった。
周りにいた生徒たちがギョッとして振り返ったが、すぐに気まずそうに通り過ぎていった。
「すんません!!将棋部の子が俺を探してるって言ってて!!!有一郎と無一郎!!」
「ったく、さっさと部室に行きやがれェ!!」
「霞守様のせいで俺らが怒られてるんですよ!!」
「兄さん、後にしようよ反省文書かされちゃうよ。」
三人はあせあせとて、慌てたまま部室へ行こうと走り出すのでまた怒鳴ると全員速足で歩き去って行った。