第10章 複雑
この前かってもらったワンピースを着て、化粧して、髪の毛整えて、ちゃんと支度を終えてからリビングに向かった。
「はい!改めて皆さんおはようございます!」
私が飛び出すと、みんなあまりの変わりように驚いていたようだった。
実弥は安心したようにホッとした顔を見せた。
「…幻をみていたようだぜ」
「じゃあ幻にしておいてくださ~い!ね、須磨さん、まきをさん、雛鶴さん!」
「は~い!」
「いやできるか!!」
私はこの三人と仲が良い。前世は一回しか会ったことがないし、正直大して話したこともない。
でも今はとっても仲良し。
…でも、何で宇随先輩達ここにいるんだろう?
「なあ霧雨、ちょっと頼みがあるんだけどよ。」
「はい?」
「嫁達に付き合ってやってほしいんだわ。」
「へ?」
すると、三人は私に詰め寄った。
「私達、女子旅したいの!!」
「……女子旅…?」
「うん、車でね。」
「それで席が一つ開いてるから、どうかなーって。」
そう言われて少し行きたい気がした…が…。
「それ、いつからなんですか?」
「今日。」
「へー…きょ、今日!?」
「いこいこ!!ねーいこーよちゃーん!!」
「す、須磨さん…!!」
ぎゅむぎゅむと抱きついてくる。やめてほしい。…あ、須磨さん柔らかい。女の子って感じ。
太れない体質で、痩せ細ってる私とは大違いだなあ……。
「いやいやいや!!宇随先輩!!突然すぎます、無理です!!」
「いや~俺も今日の朝言われて慌てて連れてきた。」
あれ。
私には、ピンと来た。
その発言は、嘘だ。