• テキストサイズ

キメツ学園ー未来編【鬼滅の刃】

第63章 大正“悲劇”ー始ー


はじめてあった時よりも確かに声が変わったのがわかる。ほんの少しの間だが、目の前の子供は男の子として成長している。


「声変わりですかね。」

「…かもしれません。」

「じゃあ、明日はそのお祝いもしましょうか。」


私は明日のことを考えた。お祝いが大根というのは少し寂しい気がするので、何かおいしいもの…。甘い物が良いでしょうか。いや、育ち盛りだから栄養の多い物が良いでしょうね。


「この調子だと、身長も伸びて私より大きくなるかもしれません。体が大きいのは良いですよ。悲鳴嶼くんは大きすぎて不便そうですし、宇髄くんぐらいを目座して………。」

「誰ですかその人たち。」

「……。」


冷ややかな風がふきぬけた気がしました。

まあ、仕方のないことです。私もずいぶんと慣れました。


「…怒ってますか?」


無一郎くんが恐る恐る聞いてくるので、私は首を横に振りました。


「いいえ。」


安心したようなので、私はにこりと笑いました。


「無一郎くん、ここからですよ。頑張りましょうね。」

「…はい、師範。」


いつものように頷いて言う。


「…ここからです。本当に、ここから。君はここからです。」


もうすぐ終わる私とは違って、無一郎くんはここから。

新しい次世代は、やはり何もない瞳で私を見つめていました。
/ 539ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp