• テキストサイズ

キメツ学園ー未来編【鬼滅の刃】

第52章 大正“浪漫”ー肆ー


『師範が私を育ててくれたのよ。』

『シハン?シハンとは何ですか?』

『えぇ?あーうーん、難しいわね。教え導く人のことかしら。』

『じゃあ、安城殿はシハンというモノになるのですか?』

『いや、モノじゃないわ。師範は人よ。それに…師範ってほどあなたに物を教えてないから、師範ではないわね。』

『???』

『まあ…霧雨ちゃんも、いつかわかる日が来るんじゃないかしら。』


首を傾げる私に、安城殿は優しく微笑みました。


『大丈夫よ。きっと、あなたを理解してくれる人があなたを教え導くわ。』

『…じゃあ……その人たちは、私にとって、師範になるのでしょうか…?』

『……やだわ、本当に難しいわね。』


安城殿は困ったようにそう言った。

私はわかりませんでした。けれど、理解する頃には、安城殿はもういませんでした。


安城殿は私の師範ではありません。私を教え導いてくれましたが、どうもその言葉にはしっくりこないのです。安城殿だけでなく、他の人たちもそうでした。

私には師範と呼べる人がいないのです。私だけを見つめ、あらゆることを教え導き、私の行く道を示してくれるような人はいないのでした。

私は果たして無一郎くんにとって師範なのでしょうか。



………私は、あの子を教え導いているのでしょうか…。
/ 539ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp