• テキストサイズ

キメツ学園ー未来編【鬼滅の刃】

第51章 大正“浪漫”ー参ー


無一郎くんは鬼を斬る以外関心を示さなかった。

まあ…今日は彼が来て一日目だけど。


「……お風呂…入り方知らなかったのね」


私はふっと笑って頭を抱えた。

アワアワ姿のすっぽんぽんの無一郎くんが脱衣所で肌を真っ赤にしてちょこんと座っていた。

お風呂を沸かしてあげてたら、中から大きな音がして、慌てて様子を見に来ればこれだ。


石鹸をなぜか風呂に入れて泡風呂状態にして、アワアワの風呂で溺れかけており、パニックになって桶やら何やらを投げ飛ばしたりしたらしい。

私が慌てて引っ張りだし、脱衣所に座らせた…ということである。しかも、めっちゃのぼせてるし。ひょっとしたらひょっとしたよ危なかったよ。

記憶喪失って、日常の生活習慣のことまで忘れたのか。ていうかこんな刺激的な日々を忘れてた私の記憶力とはいったい……。


「……これで初日かぁ…!!」


私はアワアワのお風呂を片付け、その場に崩れ落ちた。

脱衣所で大きなタオルにくるまる無一郎くんは、無感情に私を見ていた。

……この子と暮らせるのはあと二ヶ月…長いようで短い…。


「無一郎くん、お風呂はまた明日教えます。今日は…綺麗にはなりましたから、包帯をかえて寝ましょうね。」


私が言うと、彼は何の反応も示さなかった。とりあえず着替えさせた。

その後、私が普段使う隣の部屋に通した。ずっと空き部屋で、この屋敷をもらって以来使っていない。掃除は…してた記憶があるので大丈夫。ただ布団は私のしかないので、それを出した。


「良いですか。あなたは、今から寝るのですよ。」


布団をひき終わり、私は彼に言い聞かせた。


「寝る…?」


…やっぱわかってない。説明が難しいな…。

ふかふかの布団の上で古い包帯をかえた。…寝巻き着せるのも大変だった。服を着る概念もないのかこの子は…。


「えっと、こうして。」


私が畳の上に寝転ぶ。彼も真似をした。


「はいはいはい良い子良い子。」


無一郎くんを抱き上げ、布団の上に寝かせる。敷き布団を被せた。


「そのまま目を閉じてください。」

「……。」

「動かないでいるのですよ。」


私は目を閉じたのを確認して、明かりを消した。額に手を置く。


「おやすみなさい。」
/ 539ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp