第48章 空模様
朝になって、おじいちゃんとおばあちゃんが来た。
実弥から話は聞いていたようだが、弱りきった私を見て驚いて悲しんだ。
そのあと、ドラマでしか見たことのない機械で色々と検査されて、採血もされて、よりぐったりした。
全てが終わると個室の病室に通された。そして、これまたドラマでしか見たことないやつ。ピッ、ピッ、と音をたてて私の健康状態を表している。
「……すごいねえ…初めて見た…」
私は他人事のようにそう言ったが、側にいたおじいちゃんとおばあちゃんは何も言わなかった。
そのうち二人が看護士の人に呼ばれて、部屋から出ていった。
案外すぐ戻ってきたが、出ていった時とは様子が違った。
「、先生から説明があるそうよ」
おばあちゃんが言う。
その通り、朝から私をみていた先生が来た。
「霧雨さん、朝から検査お疲れ様でした。それで、検査結果ですが。」
眼鏡が特徴的な先生は躊躇うことなく言った。
「不整脈です。心臓の動きに問題があります。」
「……心臓…」
「心臓の鼓動が異様に遅いのです。お祖父様方にはもう検査結果をお見せしました。不整脈というのは何かしらの原因が心臓などにあるものなのですが、あなたの場合は…。」
先生は難しい話を簡単にしてくれた。おかげで上手く働かない頭でも理解ができた。
「あなたの場合は、原因がどこにもありません。ただ心臓の動きが遅いだけで体は健康そのものです。ですが、不整脈による症状は出ていますからしばらく入院してください。」
「……入院…!?…あの、そんなに……」
それだけで息が切れた。
「…わるいんですか……」
息も絶え絶え伝える。
「原因がわからない以上、心臓が正常な動きに戻るまで様子を見るしかありません。」
「もどるんですか」
「わかりません」
先生は冷静に、私に何の感情もなく言った。