第43章 未到達
「心配だからここで寝る」
そう言うので、私はその横に寝転んだ。
「……挨拶、緊張すんのか?」
「…するけど……いや、なんか単純にすっっごい、気分悪い…」
私がぐったりして言うと、実弥はポンポンと頭を撫でた。
「うぅ…実弥がお腹ばっかり触ってくるせいだよ…!」
「あ?触らせろ。」
「うぎゃあっ!!最悪!!こいつさいっあく!!」
実弥が遠慮なくぎゅむぎゅむと触ってくる。
やめろ。まじでやめろ。
「やり返してやる…ッて硬い…筋肉……羨ましすぎる…!!」
「やめろ、くすぐったい」
「あんた言える立場じゃないからね?」
布団の中でもみくちゃになっているうちに、実弥が大人しくなった。大きなアクビをする。健康的な彼からしたらこの深夜の時間は眠いようだ。
「実弥きゅん、たまにはぎゅ~ッてして寝ないかね。」
「キモい呼び方すんな。断る。お前を潰しそうだ。」
「おいコラそこまでよわっちくないからな」
「知ってる」
「好き」
いつもみたいに何の身にもならないことを話していると、実弥がうとうとしだした。
「………」
私はその様子をじっと見ていた。