• テキストサイズ

キメツ学園ー未来編【鬼滅の刃】

第38章 従兄弟の記憶ー怒りー


鬼ではない。けれど、何かがいる気がしました。

私でさえ何となくわかるのですから、様はよほどでしょう。


「鬼ではなく人です。きっと行方不明の方々です。はやく行きましょう。」


彼女は軽やかに駆け出しました。

私はいやな予感がして、慌てて追いかけました。


「いけません、様……」


山道の脇に飛び出し、草木を掻き分けそこに辿り着きました。



幼い少女が、立ち尽くしている後ろ姿が見えました。

その幼子の前に、奇形な人間がいました。


「何ですか?これ?」


その子がためらいもせずそれに触りました。

鬼の仕業でしょうか。


お腹から腕がつきだしていたり、頭と頭が繋がった人間がいたり。

隊服を着た者も見えます。数を数えましたが、行方不明者数と一致します。


「……………犠牲者です。」


私は烏に言伝てを頼み、本部に飛ばしました。直に隠が来るでしょう。


「生きている人は」

「いません」


私はきっぱりと言いました。…それより、なぜこの状態を見て生きている人間がいるとこの子は思うのか。


「何だ、お前ら」


突然声がしました。

目の前に夢中で二人とも気づいていなかった。振り返れば、鬼がいました。


「それはエサだ。手を出すなよ。」

「エサ?」


様が首をかしげる。


「ほら、こいつも。」


鬼がドサッ、と目の前に何かを投げた。


「うぅ…!!」

「ッ!?」


人間だった。少し額から血を流しているが、まだ生きている。隊服を着ているから鬼殺隊のようだ。その隣には民間人と見られる気絶した男性。

様が鬼に斬りかかろうとするので、左手で制した。


「判断を間違えないでください」


私はすっと鬼に向き合い、あの二人を救う最善策を考えました。
/ 539ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp