第6章 陰鬱
私も飲みに行くと言うことを伝え、さっさと家を出た。すぐに会えると言うので待ち合わせ場所まで向かう。
バスと電車になっちゃうけど、お酒飲むから仕方ないよね。目的の駅に到着すると、待ち合わせた人物がそこにいた。
「センパーーイ!!!」
「うおっ」
ギュムッと抱きついてきて倒れそうになるも、持ち前の体幹で耐えた。
「先輩会いたかったです!」
「げ、元気そうで嬉しいよ、蜜璃」
いきなり誘ったのに快く来てくれたのは甘露寺蜜璃。
初めて会ったのは高校の時。後輩たちの様子を見に美術部を覗きにキメツ学園にいったら、そこで出会って仲良くなった。そして私が卒業した美大に入学した現役の女子大生である。
「たまたま飲みたくなっちゃって、誘っちゃった。来てくれてありがとう。」
「私も誘ってもらって嬉しくて、来ちゃいました〜!」
可愛い。最高全世界ありがとうございます。
「よーし!それじゃあ行こう!!今日はおばちゃんが奢ってあげる〜!!」
「わあい!!」
私はルンルンと蜜璃と歩き出した。
お肉が食べたいと言うので焼肉のお酒付きの飲み放題にきた。
「いくら食べても同じ値段だから、好きなだけ食べてね。」
「はい!…でも、一番高いコースで良かったんですか?」
「うん、全然。」
まあ、食べ放題じゃない焼肉でキミを食べさせてあげるほどのお金、ないんですけど。
そうして蜜璃が好きに注文し、私はその余りにありつくと言った風に食事が進んでいく。
蜜璃は飲むより食べる、私は食べるより飲む。蜜璃が人の八倍食べるなら私は八倍飲むのだ。
お酒は度を超えたほど強いと思う。困ったことになかなか酔わない。なので、私たちのテーブルは飲むし食べると言うたいそうお世話が面倒なテーブルとなった。
100%元は取れるので、蜜璃はおごりがいがある。
「そういえば、先輩は同棲生活どうなんですか?」
「えっ…あー、私の話はいいじゃない。」
「ええ~聞きたいですよ!不死川さんのお話!」
蜜璃はときめき多き乙女というか、こういう話が大好きだ。