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キメツ学園ー未来編【鬼滅の刃】

第37章 再構築


唇に何か触れたな、と思う頃には運転席に実弥はいない。


「?」


唇に指を当て、何が起きたかをやっと理解し、慌てて車を降りた。

ドアを閉めたらピ、と音がして車にロックがかけられた。実弥が車の鍵をポケットに入れる姿が見えた。


「実弥…」

「下向いて歩け」

「え」

「頭下げろ」

「え」


私は首が痛くなるほど頭を下げた。すると、実弥が私の右手を引いて歩きだしたので、私も歩いた。

ヒールの私に合わせて、ゆっくりゆっくりと歩いていた。

繋いだ手の体温は珍しく冷たくて、緊張や不安や……ほんの少しの恐怖心が実弥から伝わってきた。


ていうか何で上向いたら駄目なの?いじめ?これいじめ?

夜にわざわざ人気のない森に…。


見たことある。これサスペンスとかで見たことあるやつ。このまま殺されて生き埋めにされて…。


っていやいや、実弥がそんなことするか?しないしない。


「どこまで歩くの」

「もうちょっと」


数分歩いて、実弥の足が止まった。


「頭あげていいぞォ」

「はーっ、やっとですかぁ、もう首が痛い…」


ごきっと首をならして頭をあげる。

と、目の前に見たことのないくらい綺麗な景色があった。


「わあ!!すごい!!!」


小学生のような感想しかでないけど、確かに凄かった。

目の前に夜景が広がっていた。空を見上げれば星が綺麗で、風もとても気持ちいい。


「こんなところよく見つけたね!私全然知らなかったー…!」


星が綺麗だ。

空を見上げていると、実弥の様子がおかしいことに気づく。いや、ずっとおかしかった。今日一日、ここ最近。


でも、今は特に変だ。
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