第37章 再構築
「こちら、プロフェッショナルのお方々です。」
朝早くに起こされたと思えば、見慣れた面々がリビングにいて、春風さんはニコニコとしていた。
「えっと、なんで…桜兄弟と天晴先輩がいるんですか…??」
「ふふっ、エステでお肌と体調面はすっかりよろしくなったようですから、この際全てを完璧にしてやろうと思いまして!」
「あの。待ってくれません??説明してくれません??」
「私は完璧なお世話をしたいだけなのです!!!!!」
「すみませんかなり怖いです。」
春風さんは完璧に自分の世界に入っていた。
「さすが霧雨さんの親族だね。ポンコツさが滲み出てるよね。」
「ハカナ、何か言ったかい?」
「いいえ、何も」
…怯えるくらいなら初めから何も言わなきゃ良いのに。
「ねえ…霧雨ちゃん。」
「はい…なんですか、天晴先輩?」
「ありえないわ!!!!!!!!」
安城天晴。彼は紛れもなく男であるが、ある日突然自分が世界で一番可愛いということに気づいたらしく、乙女であり男でもある人である。
今は芸能関係の仕事をしていて、雑誌の表紙を飾るほどの人である。言って終えば超有名人、なのだ。頻繁に会えるわけでもないから嬉しいのだが。
なぜ今?それに、なぜ起こっているの!?
「彼氏と!!デートというのに!!!その格好は何なの!?!?!?馬鹿なの!?馬鹿なのよね!?」
「ええ…今日デートかどうかもわからないのに…」
「お馬鹿!!男の子が女の子を誘うときはデート!!デートよデート!!!」
天晴先輩のあまりの剣幕のその背中から、ひょっこりとハルナちゃんが顔を出した。
「私もそう思うなー!ていうか、デートじゃなくてもデートにしちゃいなよ!」
「はい??」
「ハルナの言う通りだね。僕も大賛成。ていうか実弥クンの行動パターンからデートじゃね?」
「桜くん適当でしょ。」
「当たり前だろ。眠いし正直どうでも良いんだよ。」
ああ、小学生の頃は可愛かったのに。今ではすっかり大きくなって、私より背が高くなっちゃって。
成長期が来れば背が伸びると豪語し、前世では成長期が終わる前に死んでしまって。今では成長期も終わって本当に背も伸びて、かなり嬉しそうだけど。