第29章 出会い
「でも彼氏いるって言うし頭硬いからさちょっと嫌がらせ?的な?」
いや的な?じゃないし。
何を言ってるの?
たまたま参加した合コン…と言うなの意味のわからない飲み会でたまたまあって、方向が同じだからってタクシー割り勘しただけじゃない?
「い、嫌がらせって、それであんな写真撮ったりしたんですか!?」
「別に裸とかじゃないし良くね?」
ここまで開き直られると呆れてくる。もしかして良いんじゃないかなって思っちゃうんだけど…。
「とりあえず、すごく迷惑なのでやめてもらっていいですか。」
「ええー?じゃあ付き合ってよ。」
頭の中お花畑なのか?
何を言っているんだ?
「嫌ですよ、何でそんな…」
「じゃあやめない。」
「…っ!」
何なんだこの人。私はムッとして、睨みつけた。
「写真まだまだあるし、いくらでも送れるよ?いいの霧雨さん、彼氏さん不安にさせちゃうよ。」
「…それはあなたがやらないといいことでしょう…!!」
「は?」
ガシッと肩を掴まれた。
「な、何を」
「もー頭硬いな。一回くらい遊べばいいじゃん。」
「はあああああ!?」
いよいよ理解できない。何か無理にグイグイ引っ張っていくし、いやどこに連れていくんだ。
もうこれはやり返しても正当防衛なのでは?投げ飛ばしてもいいかな…。上手く受け身取ってくれるといいんだけど…。
掴まれている腕にぐっと力を込めた時、私が何もしていないのに腕が解放された。
「がっ!!!」
「え?」
彼は悲鳴を上げて、私は驚きの声を上げた。
彼は地面にどさっと蹲った。
「大丈夫ですか!?」
「え」
全く気づかなかった。
目の前に、ツンツン頭の人の良さそうな男の子がいた。…いつからいたんだろうか。
「くっそ、いってえ!!」
「女性に手を出すとは最低な野郎だな!!さっきのお前の言動、全てカメラにおさめた!!」
「はあ!?」
彼がスマホを掲げた。その画面には、出しかに先ほどの私たちが写っていた。