第29章 出会い
「ど、どうしよ、実弥…!!」
「あ、何だァ?どうした?何があったんだ?」
震えて涙声の私に実弥が優しく声をかけてくれる。部屋に残したおはぎがポテポテと歩いてくる。
「ふ、封筒が届いたの、差出人が書いてなくて、写真が、入ってて」
「……どこにあるんだ」
「…私の部屋」
ただごとではないと思ったのか、実弥は真っ先に行ってくれた。
机の上に置かれた写真を見て、実弥は目を見開いた。
「……何だこれ…!?」
「わ、わかんない…買い物から帰ったら入ってた。さ、実弥じゃないよね!?」
「違うわ、アホ」
実弥はじっと何かを考え込んだ。
「……こ、これ、ヤバイやつかな…警察とか言った方が良いのかな…」
「………ヤバイやつなのは確かだが……警察は微妙だな」
実弥はそう言った。
「明日の朝、管理人に言ってみる。」
「え……でも、朝忙しいでしょ?」
「お前が外に出る方がダメだろ。」
確かに。また変なものが送りつけられるのも嫌だ。
「気持ち悪いかもしれねえが、写真は捨てずにとっとけ。」
「う、うん…。」
実弥は怒っているようで、何とも言えない雰囲気があった。
けれど、優しく私の頭の上に手を置いた。
「大丈夫だから」
私はそれが嬉しくて、実弥にぎゅっと抱きついた。実弥は優しくて、離れろとか言わずに抱きしめ返してくれた。