第27章 苦悶
一人で誰にも監視されていないと、たまにやらかしてしまうことがある。
私は元来、しっかり者ではない。何を皆期待していたのかがっかりされるけれど。
「バカ野郎!!」
実弥に怒鳴られ、大人しくソファベッドに体を沈める。
なぜ仕事を終えて帰ってきた実弥がこんなに怒っているかというと、私がずーーーーーっと仕事をしていたからである。
熱中してしまって、周りが見えなくなって、お昼ごはんも食べず休憩もせず家事もせず何もせずただひたすらに仕事をしていたからである。
そして、実弥が私の部屋に入ってきて肩を叩いたとき、ふと我に返って体中の違和感に気づくのだ。
「飯も食わねえわ座りっぱなしだわそうなるに決まってるだろ!!!」
ぐったりした私の体を怒鳴りながらほぐす実弥。口調と真逆で手は優しい。
「最悪…最悪だ……仕事がめっちゃ進んだこと以外最悪だ…」
「当たり前だ」
座り仕事でバキバキの体がちょっとずつほぐされていく。
「いたっ、いたたたたっ!!そこはダメ!!めっちゃ痛い!!!」
「耐えろ」
「無理!!むりむりむりいいいいいいい!!!」
何のツボだかわからないがすごい痛いところをグリグリと押してくる。
その後も叫ぶ私をあざ笑うように、しっかりとほぐしてくれました。絶対許さん。