第27章 苦悶
芯をなくしたようにふにゃふにゃしながらご飯を食べた。
「あれ、そういえばおはぎは?」
「寝てる」
晩ごはんはカップラーメンでした。すみません。明日はちゃんと作ります。文句一つ言わないでくれてありがとう。好き。
「え?もしかして今日ずっと寝てたのかなぁ。大人しかったし……。」
「お前、まじで次やったらツボマッサージ五倍にするからな?」
無理、それは死ぬ。
でもなんだかおかげで体が軽いんだよね。
「ちょっと30分くらい寝てもいい?」
「それは永遠に起きねえパターンだろ」
「大丈夫大丈夫、優しい数学の先生が起こしてくれるから」
私はごろんとソファに寝転がった。おはぎはフローリングの隅ですやすやと眠っていた。
「優しい先生?」
実弥が私の顔を覗き込む。
「誰が」
「あんた」
「………」
何だか、元気がないような…。
「最近、おかしいよ。何かあったの?」
私がうとうとしながら聞くと、実弥は、初めてと言っていいかもしれない弱音を吐いた。
「ああ、辛い。」
何があったんだろう。
聞こうとしたけど、実弥は私の頭を軽く撫でて、すぐに自分の部屋に行ってしまった。
追いかけるべきなのだろうか。
追いかけるべきなのだろう。
けれど、私は何もしなかった。