第22章 先へ
トイレットペーパーとか買い込んでいったん荷物を置いて、ペットショップへと向かった。
ルンルン気分でそこに入れば、まるで天国みたいだった。
犬も猫も鳥も魚も全部かわいい。あと、ハムスターとかリスとかモモンガなんかもいた。
「…?この子、何か顔に傷ついてる?」
「いや、模様だろ。」
とある猫をじっと見つめる。
綺麗な青い目をしていたので気になったのだ。
実弥の言う通り、模様だった。全体的に白っぽいのに、顔に何本か傷のような線が入っていた。
どこかで見たことがあるなぁ、と思ってちらりと実弥の横顔を盗み見る。
猫がふにゃあ、と気のない声でなく。その目は何だかじとっとしていて、目付きが悪い。
「実弥じゃん」
「あ?」
「実弥が猫になったみたい」
そこで、猫の模様と自分の顔の傷が瓜二つなことに気づいたのか少し嫌そうな顔をした。
「ふざけんな。猫に似たって嬉しかねえよ。」
「ほら、この目!ちょっと不機嫌な実弥じゃん!」
私が思わずぷっと吹き出すと、そんなに似てるか?と首をかしげ出した。
「抱っこしてみますか?」
ずっと猫の前に張り付いている私達に店員さんが声をかけてくれた。
お願いすると、ケースを開けて出してくれた。
抱っこの仕方を教えてもらって抱っこすると、先ほどまでじとっとした目だった猫が丸々と目を見開いて、じっと私を見つめてきた。
誰だお前、って感じかな。不思議なんだ。
動物の感情も一応読み取れるが、人間よりは難しい。
「かわいい~ちいさい、ふわふわ、もふもふ、あったかい…!」
語彙力がもはや崩壊していたが、とてもかわいい。それだけは確か。
「とても活発な子で、生後5ヶ月の子です。雑種の男の子ですよ。」
「そうなんですか~。まだ赤ちゃんなんですね。」
私は隣でただ見ているだけの実弥に猫をそっと差し出した。
「実弥も抱っこしてよ~すごくかわいいよ?」
すると、彼は素直に猫を受け取った。