リセット~running start again~
第6章 過去の自分と向き合うとき
次の日。
おじいちゃんの退院の付き添いをし、大家さんの家に戻った。
退院には兄も付き添った。兄の車でスイスイと帰った。
田崎「ありがとのぅ。助かった。」
和幸「いいよ、別に。たまたま休みで良かった。俺たちは帰るよ。」
田崎「あぁ。ところで、よ。マネージャーの件はハイジから聞いておろう。」
「うん。聞いてる。」
田崎 「心の赴くままに。ハイジ達は純粋に走ることを追求し、仲間と共に答えを探して歩んでいる。」
「うん。知ってる。」
田崎 「無理にとは言わない。しかし、いずれ違う形で向き合わねばならないときが必ずやってくる。逃げ続けたらそこまで。誰も咎めやせんよ。あやつらなら、きっと受け止めてくれるだろう。自分を苦しめるのはやめぃ、自分を好きになるんだ。自分を信じて、あやつらを信じてみろ。」
「(自分を好きに・・・か)ありがと。おじいちゃん。ちょっと考えるわ。」
車内にて
和幸 「何?マネージャーやるの?じーさんの話のことだけど。」
運転しながら私に問う。
そう、私はこのこと誰にも言ってないのだ。
「うーん・・・正直言うとね、迷ってる。高校の時の同級生が寛政大にいてね。箱根駅伝を目指してる、一緒に目指さないか?って。足を痛めている子がいて顧問の息子が・・・って話したことあるでしょ。その子だよ。」
和幸 「あぁ。聞いたことある。これは年長者からのアドバイスだけど・・・」少し考えながら真っ直ぐに言葉を紡ぐ。
「迷うくらいならやった方がいいと思う。やってみてダメだったらその時考えればいい。の残りの大学生活は1年しかない。たった1年だぞ?これが終わったら社会に出て働くことになる。大人になって、あの時あぁしておけば良かった、こうしておけば良かった・・・ってことたくさんある。大学生活は一生に一度しかないし、卒後もずっと続く仲間はそんなにいないよ。まぁ。続くとは限らないけど。それに、思っているより時間もなくなる。俺からしたら苦楽を共にできる仲間ができることは羨ましいことだぞ。それに・・・」と語る。