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【ヒプマイ】素寒貧な男の手懐け方

第1章 雨の中で拾った男



蛇口をひねってシャワーを浴びると、ふと日常に戻った気がした。私は普通のOLで、会社勤めをしていて、彼氏も友人も居てそれなりに充実していて、彼氏とはいつか結婚出来たら良いななんて思っていて。

でも、彼氏は居なくなって、代わりに有栖川さんと出会った。彼と出会って一瞬喪失感は紛れたけれど、明日になれば有栖川さんも居なくなり、私は一人になる。


「ああ、寂しいな」


ぽつりと呟くと、有栖川さんの影が洗面所に現れた。きっと歯磨きでもしてるのだろう。私は彼が居なくなるのを待ってから浴室を出て、寝間着に着替える。

髪を乾かし、歯を磨いて部屋へ戻ると、有栖川さんは布団に寝そべってすやすや眠っていた。


「よっぽど疲れてたのかな」


色々聞きたいことはあったけれど、それは明日の朝にでも聞ければいいか。そう思って、机の上に置いてある数本のビール缶を片付けると、寝室の明かりを消してリビングでテレビを観た。


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