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【鬼滅の刃】【不死川実弥】だからこそと言えるように

第10章 分岐点




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兄の体が回復して、もうしばらくで動けるそうだ。

結衣
『お兄ちゃんは……明日から少し鍛錬して初任務だって』

義勇
「……」

兄はあれからずっと虚ろな目をしてた。

義勇
「錆兎は、誰よりも勇敢だった……。俺は動けなかったのに……。錆兎が助けてくれたのに。倒してくれたのに。俺は……俺は1匹も倒せてないのに!!俺は……俺は……」

思わず手を握って叫ぶ。

結衣
『お兄ちゃんは立派な人だよ……!努力できる凄い人だよ!……お兄ちゃんは……お兄ちゃんは……。


お兄ちゃんまで……居なくならないで……』

義勇
「……いなく、ならない……。約束する。それと、結衣、錆兎から多分伝言がある」

結衣
『……なに?』

怖いな……。なんだろう?

義勇
「……結衣が好きだったと。きっと錆兎も怖かったんだと思う。始まる前にそっと教えてくれた」


結衣
『っ……!?……なんでっ……!なんでよぉ……錆兎から……錆兎から直接聞きたかった……。うぅ……あぁ……』

そこから声も涙も枯れるまで兄の胸で泣いた。

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きっと、劇的な最後を飾れるのは力を持つ人だけなんだ……。
そう悟ったのは私が10になったばかりの冬。

結衣
『はぁ……はぁ……はっ……』

もう、あと、伍ノ型と陸ノ型しか残ってない……っ!!

こんな町で鬼に会うなんて思わなかった!!

私の後ろには同じくらいの女の子。
守らなくちゃ、私が。

結衣
『逃げて!!早く!!』

「そ、そしたら君が……」

結衣
『いいからっ!早く!!』

「……に、逃がすわけ、なぃだろぉぅ」と醜い鬼が笑う。

鬼の攻撃はムチのようにしなやかな蔦で攻撃してくる。

蔦……。

女の子に伸びた攻撃をスパッと切っていく。

蔦が切れる、そして消える……。


ねぇ、お姉ちゃん……私……頑張ってるよね?


結衣
『逃げて!!』

女の子はようやく走り出した。覚束なく。

「に、にがぁすかぁ……!!」

女の子に伸びる無数の蔦。


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