【鬼滅の刃】【不死川実弥】だからこそと言えるように
第15章 人生観
結衣
『それと、弱い自分じゃ兄と前みたいに笑えない。そう焦っていたんです。
強くなりたい。まだ、私焦ってるのかな…。
ずっと、寂しい。寂しいよ、お兄ちゃん。』
なんだか、視界がぐにゃぐにゃになってきた。
あれ、つつーって頬を何かが伝っていった。
すると不死川さんがおもむろに私の頬を親指の腹で。
涙を拭ってくれた。
そうか、私泣いていたのか。
"泣けた"のか。
実弥
「まァ…冨岡との事は俺にはどうも出来ねぇけどよ。
大方、冨岡に守りたいとか思われてることに、頼りない、不甲斐ないって感じてんだろォ?」
結衣
『ッ!?
そう…ですね。私が兄が頼れるぐらい強くなればそういう考えもなくなり、前みたいに笑い合えると思ったんです。』
実弥
「俺はあいつが笑ってるとこなんて見たことねぇが、俺は鬼と戦ってるあいつしか見た事無ェ。」
どういうことだろう??
実弥
「…鬼をこの世から殲滅出来れば、また笑い合えるんじゃねぇのか?
それと、守りたいだとか頼られたいだとかは、弱いからじゃねェ大切だから、そう、思うんだろォ」
そう、少し耳を赤くしてるけれど目を見って言ってくれた。
多分だけど私のことを大切だと、言ってくれた。
結衣
『!!
そう、ですね、そうかもしれません。
そうでなくても、鬼を殲滅するんですけどね』
そう笑って見せたら不死川さんも悪い笑顔を見せてくれた。
実弥
「そう来ねぇとなァ。」
笑う不死川さんに
優しい不死川さんに
頼らせてくれた不死川さんに
ときめき掛けた。
まだ、ダメだ。
まだ、気づいちゃダメだ。
悲しいから、この世からいなくなってしまうのは。
好きな人が家族がいなくなってしまうのはとてつもなく痛いから。
私の心がまだ弱いから。
でも、
だからこそ、不死川さんにいつか
伝えられるように
"好きだ"と言えるように。
自覚できるようになれるように。
やっぱり私は強くなりたいんだ。
身体の強さも、技術の強さも。
心の強さも。
結衣
『私やっぱり!強くなりたいです!』
実弥
「おう、明日からしごき倒してやらァ」
いつか、覚悟を決めれるといいな。