【鬼滅の刃】【不死川実弥】だからこそと言えるように
第9章 最終選別と蒲公英
結局あの後直ぐに輝利夜様とかなた様からアナウンスが入ってしまい、最終選別が始まった。始まったのだ……。
そう、緊張している……私でなく、コイツが。
「ねぇぇぇえええ!!向こうから悲鳴が聞こえたんだよぉぉぉぉ!!守ってくれよぉぉぉぉ!!」
結衣
『情けないですね。男でしょう?シャンとしてください』
「アンタだって男だろ!?お願いだから俺を守ってくれよぉぉぉぉ!!」
ブチ……。
多分どっかの血管が切れた。
結衣
『女ですけど……?申し訳ないですね?守れませんね?女ですから?』
「……ええぇぇえええ!?」
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「そう、冨岡結衣ちゃんって名前なのか……結衣って可愛いね!!俺、我妻善逸だよっ!」
結衣
『善逸さんですか……。よろしくお願いします。では、後ほど。ご武運を』
善逸
「待って待って待ってー!!」
なんだこのタンポポ。
結衣
『なんでしょうか?』
善逸
「お、俺!弱いんだ!分かるよ!結衣ちゃん強いでしょ!?守ってくれよ!!」
いや、なんでやねん。あと、うち、強ない。
結衣
『……最終選別は隊士に相応しいかを図る試験です。誰かに助けられ生きても、仕事先でどうせ死にます。それに、私が守らずとも善逸さんは強いですよ。私なんかと違って……』
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善逸side
私なんかと違って……?
悲しい音がする。結衣ちゃんからはずっと叫び出したくなるような悲しい音、焦りの音、悔やんでそうな……。
だけどそれでいて、どこか芯のある音。優しい音。
善逸
「俺は……雷の呼吸なんだけどさ……壱ノ型しか……使えないんだ……」
結衣
『……私は以前は元水柱の門下生でした……。ただ、一つの型を1日に1回ずつしか……使えない出来損ないでした……』
元水柱……!?じいちゃんの知り合いかも……??
でも、型が10しかない水の呼吸を結衣ちゃんの師範がどんな人かは知らないけど……そのままで選別に連れていくとは思えない。
結衣
『善逸さんは……壱ノ型を極めてここに来たのですか?』