【鬼滅の刃】【不死川実弥】だからこそと言えるように
第7章 転機
と言うより、私が折ったのは真剣だ……。
しかも、今日は私は刀を持参していない。竹刀で打ち合うとでも思っていたから……。
結衣
『あ、あの……』
実弥
「なんだァ……?」
奇怪な物を見るような目で見るのはやめて欲しい……。
そしてその目、怖いですよ。ぎょろぎょろ目ん玉よりぎょろぎょろしてますってっ!!
結衣
『刀……あれ、風柱様のものですよね……?折ってしまって申し訳ありません……』
頭を下げ、深々と土下座しようとした時……
実弥
「別にィ……そこまでしなくていい。ちゃんと謝ったからそれでいい。しかもあれはお前んとこの刀だから俺はなんも思わねェ」
もしかして、優しい……?この人優しいの?え?
それにしてはすごい形相だが……。
きっと、剣士も刀鍛冶と同じぐらい刀を大切にするから……だ。
実弥
「それよりもう1回構えろォ」
うん、多分優しい。あの不死川実弥が優しい…………。
結衣
『こ、こうですか……?』
実弥
「あァ……右手はもっと下に構えろォ。左足はおまけじゃねェしっかり踏ん張れェでねぇと踏み切れねェぞォ」
意外とご丁寧な指摘で……。私、見直したよっ!!この人怖いだけじゃない!!(かなり失礼)
実弥
「まァそんなもんだろ。打ってみろォ」
あれ?あまりまだお気に召して無さそうだが……?
そりゃ、1回で完璧にできると思うほど自分を買ってはないが……。
結衣
『風の呼吸 壱ノ型 塵旋ぷ…ぅうっ……!!ゴホッ……あぁっいぃっ……』
あぁ、まただ痛む。やっぱり私に才能なんてない。
むしろ呼吸できない才能がある。
不死川実弥さんはかなり怪しんでこちらを覗いている……?
それより、失望している……?
そういえば、この人はあまり色が見えないな……。
ずっと、灰色の色しか見えない……。
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実弥side
義勇
「またか……」
また……?あぁ、水の呼吸もこの調子か?
ならば、かなり失礼だが御館様は本気でこんなやつに才能があるとお思いなのだろうか……?
兄貴に似ている憎たらしい蒼天の瞳は影を落としている……。
この兄妹は揃いも揃ってジメジメうっとーしい。水の呼吸ってのは使い手の心に雨でも降らすのか聞きたくなってくる。