【鬼滅の刃】【不死川実弥】だからこそと言えるように
第4章 兄
『もう出てきてしまったのなら仕方がない。止める気なんてないよ。』
義勇
「なら、なぜ俺の後を追った!?お前さえ生きのびてくれればいい。生き残れる保証なんてないが、俺も死ぬ気ではない!!」
ほら、やっぱり生き延びる保証なんてないじゃない。
『だったら、私もお兄ちゃんと一緒に行く!』
もう、家族と離れ離れは嫌だから。
家族を失いたくはないから。
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義勇side
そうか、妹はただ、家族を失うのが嫌なんだろう。
妹には伝えてはいないが、親が妹の出産で亡くなってしまったことも、もう察しがついているだろう。
俺は妹を連れていくのは嫌だが……。
二人の間を吹き抜く風が、酷く冷たい。
もう戻る術はない。
義勇
「……。なら、覚悟を決めろ。たとえ共倒れでも。」
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結衣side
覚悟?そんなものとっくに決めてきた。
今日のような酷く風が冷たい日でも。
私は前に進んでいかなくちゃならないんだ。
あの時、おばさんに飛びかかろうとした時は失敗した。だけど、私は同じ失敗を繰り返す道を進むと、決めた。
兄を信じる。
それが、親不孝者で家族を失ってばかりの私が今、できる唯一の努力だ。
『……うん!!』
そう、力を込めて返事をした。
すると兄は手を繋いでくれた。
2人で夜の山へと入っていった。
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あれから山奥へと入って、クタクタになってしまった。
休憩をとったら、そこから2人して動けなくなってしまった。
動きたくない気持ちが出てきてしまった。
そして、日が昇り、沈み、綺麗な望月が見え、綺麗だと思えば、また日が登った。
そして、私は意識を飛ばした……。
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義勇side
結衣が寝てしまった。
俺が、俺が何とかしなければ……。