第4章 honey.4
いい加減にしろと歩を睨むも、俺の視線を気にすることなく手を進めていく。
それはやがてジャージの下にまで及び…。
「っあ…!」
『真澄?』
ぎゅっと中心を握られて出てしまった声を隠すように、俺は自分の口を手で覆った。
そんな俺の様子を見て歩はニヤリと笑うとゆっくりと手を動かしてきた。
こ、のっ…!
「何でもない!風邪気味だからもう切るなっ!」
『あっ?おい、真っ…!』
ガチャンッ!!!
早口で一方的に別れを告げた俺は、乱暴に電話を切った。
「あゆ、…っ!!」
「真澄…気持ちい?」
「うっせ。早くどけっ…!」
下着の中で動く歩の手に確実に限界に誘われる俺は、怒鳴ることも忘れて唇を噛みしめる。
「…ん、でもすごい。自分の声聞かれてると思うと興奮するでしょ?」
「興奮なん、か…しねぇ、って。ぁ!」
「嘘。こんなに濡れてるのに…」
濡れた水音が歩が手を動かす度に聞こえてきて、羞恥から頬に熱が集まる。
「いいっ、から。もっ…やめ…」
「ここでやめたら辛いの真澄でしょ?」
ぺろっと口唇を舐めた歩はさらに手の動きを早めた。