第15章 【特別編】甘え日和。
それでここまで歯止めが効かなかったあの快感に説明が付いた。
「お前とショッピングなんて二度といかねぇ…!」
ギリギリと奥歯を噛み締めながら言葉を漏らすと、歩はきゅっと俺の首にしがみついてくる。
「えーっ?だって本当に効くと思わなかったんだもんっ」
だもんっじゃねえよ!!!
言いようのない怒りの矛先が定まらないまま、俺は何とかキレそうになる怒りを胸の内にとどめる。
「でもこれ一番弱いやつだよ?」
ブツブツと文句を言っている俺の背後で反省の色が全くない歩の呟きが聞こえてくる。
こいつ全然悪いと思ってないな?!
どこかに捨ててやろうと思ってもそんなことが出来る訳がない。
家に帰ったら説教してやると心の中で決心して夕暮れの道を歩く。
すりすりと頬をすり寄せてくる歩に、二度と構ってやるものかと胸に誓うのだったー…。
【END】