第1章 honey.1
「「いただきます」」
手を合わせた俺達はさっそくシチューにスプーンを付けた。
初対面の女の子と夕食を共にするこの感覚。
ふうふうとスプーンにすくったシチューの熱を冷ます姿に、俺の視線は釘付けになる。
妹じゃなければ…。
はっきり言えば抱ける。
そー言えば近頃ヤってねぇな…。
って、何考えてんだ俺。
いくら欲求不満だからと言って妹に欲情していい訳がない。
親父もそこらへんの事考えて欲しいよな。
雑念を消すようにシチューを流し込む。
沈黙が包む食卓は居心地が悪く、俺は頭を働かせて話題を提供した。
「歩ちゃんって何歳?」
「高校2年生の17歳です」
俺の1つ下…か。
見た目で言うと俺と同い年くらいに見える。