第3章 honey.3
「で?何の用だよ…」
あくびを噛み殺しながら、彰が差し出してきたカフェオレの缶を受け取った。
眠りに落ちる前にブランケットを被っていたが、この教室には暖房が無いために冷えてしまっていた指先がじんわりと暖かくなる。
「まっすんさー」
「あ?」
隣に座ってきた彰を横目に缶の蓋を開け、温かなカフェオレを喉に流し込む。
ミルクと砂糖の甘さが丁度いい。
「弟くんとヤったでしょ?」
「ぶっ!!」
せっかく口に入ったカフェオレが音を立てて外に吹き出される。
「あはははっ!図星!」
げほげほとむせ返る俺を見て腹を抱えて笑い出す彰。
こいつ…っ!!
ぐいっと口元を拭って睨みつけると目尻に溜まった涙を彰が拭っていた。